電化製品には欠かせない乾電池。使い終わった後はどうなるのでしょうか?

今の乾電池には、有害な水銀が含まれていませんので、そのまま不燃ごみとして処理する自治体もあれば、資源ごみとして分別収集する自治体もあるでしょう。または役場や量販店での拠点回収をしているところもあります。
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不燃ごみとなった乾電池は、残念ながら鉄だけ回収され、残りは埋め立てられてしまいます。

一方資源ごみや拠点回収された乾電池はどうなるでしょうか。専門の回収業者によって回収されますが、専門の回収業者も自前で処理するすることは少ないようです。最終的にはおおまかに3社によってリサイクルされています。

1つ目は「野村興産株式会社」のイトムカ鉱業所(北海道)に運ばれます。そこでは、乾電池を使い捨ての1次電池と、繰り返し使える2次電池に分け、1次電池のみリサイクルしています。(2次電池は別の専門会社でリサイクルされています)

工程ですが、ロータリーキルンという装置で600℃~800℃で焙焼し、水銀を回収します。その後に、亜鉛・マンガン・鉄に分けリサイクルされます。

リサイクル用途ですが、水銀は、研究機関や、蛍光灯、医療器具などで使われます。亜鉛ですが、亜鉛の地金として使用されます。マンガンですが肥料やセメントなどに。鉄は鉄鋼製品にリサイクルされています。

2つ目は「株式会社ジェイ・リライツ」北九州市エコタウンセンターにあります。3つ目は「JFE環境株式会社」になります。

ロータリーキルンがあるかないかで水銀の回収をしているかしていないかの違いはありますが、それ以外はほとんど同じになります。(現在日本メーカーが生産している乾電池には水銀は含まれていません)ので、水銀の回収の有無はあまり重視しなくても問題ないのかなと個人的には思っています。

いずれにしても、不燃ごみに出してしまうとリサイクルされませんので、自治体での回収が不燃ごみの場合、拠点回収に持って行ってくださいね。

※水銀に関する水俣条約の第三条「水銀の供給源及び貿易 」で鉱山からの水銀産出の禁止、水銀の貿易に関しては条約で認められた用途以外の禁止

となっていますので、いま日本で流通している水銀は全量リサイクルされた水銀で賄われているものと考えられます。