輪廻転生の仏教の世界で、人間に生まれてしまったのは天の定めなので致し方ありません。

人間道では四苦八苦の世界で、苦しい中にも楽しみがある世界です(私には楽しみなどないですが)。

※余談

四苦とは生・老・病・死が思いのようにならないこと。
・生・・・・・生きていること自身にの肉体的・精神的な苦痛を伴う
・老・・・・・老いていくことに伴い、体力・気力などが衰退していき自由が利かなくなる
・病・・・・・病気になることによって、痛みや苦しみを味わう
・死・・・・・死ぬことへの恐怖や、死んだ後にどのようになるかの不安

上記のことに

・愛別離苦(あいべつりく) ー愛する者と別離すること
・怨憎会苦(おんぞうえく) ー 怨み憎んでいる者に会うこと
・求不得苦(ぐふとくく) ー 求める物が得られないこと
・五蘊盛苦(ごうんじょうく) ー五蘊(人間の肉体と精神)が思うがままにならないこと

の四苦を加え四苦八苦になります。

それに引き換え天道では、天人の住む世界で、寿命は非常に長く、苦しみも人間道に比べてほとんどない世界だと言われています。しかし天人も悟りを開いていないため、輪廻転生の世界では寿命があり、生前の行いによって六道のうちどれかに生まれ変わります。

※余談

六道とは

・天道-天人の住む世界
・人間道-人間の住む世界
・修羅道-争いの多い世界、終始争っていて苦しみが大きい
・畜生道-動物の世界
・餓鬼道-餓鬼の住む世界。食べ物を口に入れようとすると火となってしまい餓えと渇きに悩まされる
・地獄道-地獄ですね

天人の寿命が尽きるときには以下の前兆があります。

・衣裳垢膩(えしょうこうじ)-衣服が垢で油染みる
・頭上華萎(ずじょうかい)-頭上の華鬘(けまん)が萎える
・身体臭穢(しんたいしゅうわい)-身体が汚れて臭い出す
・腋下汗出(えきげかんしゅつ)-腋の下から汗が流れ出る
・不楽本座(ふらくほんざ)-自分の席に戻るのを嫌がる

このように寿命が尽きるころになると、いくら天人であっても苦悩を味わいます。天人の五衰の時の苦悩に比べると、地獄で受ける苦悩もその16分の1に満たないといった説もあります。

なので輪廻転生はせず、早く悟りを開いて涅槃に行きたいものですね。