夏になると無性に炭酸飲料が飲みたくなります。夏以外にでも、口をさっぱりするために飲むこともあります。
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炭酸飲料にはシュワシュワ泡が出てきます。この泡が二酸化炭素だということは皆さんご存知だろうと思います。この炭酸飲料には欠かせない二酸化炭素が不足している事実はご存知でしょうか?

二酸化炭素は空気中に0.03%程度含まれておりごくありふれた成分で、特に貴重というわけではありません。それどころか、地球温暖化の犯人扱いされ二酸化炭素排出削減まで叫ばれておりむしろ厄介者扱いされています。どうして厄介者扱いされている二酸化炭素が不足しているのでしょうか?

日本で工業用に利用される二酸化炭素の生産は、石油を精製する石油化学プラントやアンモニアプラントから排出される副産物で賄っています。すなわち炭酸飲料の二酸化炭素は、石油由来の二酸化炭素を利用していることになります。
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しかし、日本ではエネルギーの効率化が進んでおり石油の生産が減少しました。また設備の老朽化も相まって石油化学プラントやアンモニアプラントの閉鎖が相次いでいます。そうした事態により、二酸化炭素の供給源が減っていることが背景にあります。

工業用の二酸化炭素は飲料用だけではなく、溶接用の液化炭酸ガスや冷却用のドライアイスにも使われているので奪い合いが発生しています。また供給がひっ迫しているので、近年では韓国からドライアイスを輸入してしのぐケースもあります。

二酸化炭素を生産している大手メーカーは4社あり、シェアは95%にも及びます。
大手メーカー4社(エア・ウォーター、日本液炭、昭和電工ガスプロダクツ、岩谷産業)

大手メーカーは今まで利用されていなかった二酸化炭素を回収する設備を作り供給量を増やしたり、貯蔵スペースを増強したりして対応しています。しかし夏場になればドライアイスの需要が急増するため、販売価格の高騰も懸念されます。

地球温暖化防止が叫ばれているので、石油化学プラントの増設の見込みはなく、新たな二酸化炭素の供給源を見つけなければ、やがて炭酸水も贅沢な貴重品になるかもしれません。

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