広大な宇宙を一瞬にして破滅に追い込むエネルギーをご存じだろうか?それは原爆とか水爆などの核兵器は問題じゃないほど強力なエネルギーになります。それは星の爆発やブラックホールよりも強力なエネルギーになります。
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ドラえもんに登場した秘密兵器「地球破壊爆弾」よりも強力になります。
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これが地球破壊爆弾。ネズミもろとも吹き飛ばそうとしました。

その膨大なエネルギーはまだ仮説段階ですが、この宇宙が「偽の真空(ぎのしんくう)」だった場合に発生するかもしれない現象のことです。偽の真空とは、字の通り偽りの真空状態のことです。ここでいう真空状態とは、エネルギーが最も低い状態のことを表しています。宇宙空間など、空気がない状態の真空とは別物になりますので間違えないでください。

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ジェットコースターが上から下に落ちるように、エネルギーも高い状態から低い状態になろうとする性質があります。また不安定から安定になろうとします。

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宇宙も誕生から現在まで、エネルギー状態を徐々に落としてきたと考えられている学説があります。なので現在の宇宙の状態が一番エネルギーが低い状態すなわち「真の真空(しんのしんくう)」状態であるとは言い切れません。今の宇宙が偽の真空なのか真の真空なのか観測するすべがないので、現在はどの状態なのか分かりません。

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現在の宇宙は加速膨張していることが観測から分かっています、もし宇宙が真の真空状態であれば、宇宙は加速膨張していき、空間がバラバラに裂けてしまいビッグリップを引き起こす。あるいは宇宙空間だけが膨張し、星間ガスなどの物質が徐々に薄まり、わずかな素粒子だけが残る暗くて冷たい宇宙が永遠と膨張していくだけの宇宙になります。

もし宇宙が偽の真空だった場合、何か物理学的なきっかけがあれば、エネルギー状態がより低くより安定になろうとします。物理学的なきっかけとは、分かりやすく言うと坂道の途中で止まったボールをちょっと突っついて転がすようなものです。

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このエネルギー状態を低くなることを「真空崩壊」といい、もし宇宙で真空崩壊が起きれば今の宇宙は存在できず崩壊してしまいます。具体的には、現在の宇宙での基本的な物理定数(光速・万有引力・電気素量などなど)の値が変わってくる可能性があります。あるいは現在存在している様々な素粒子も存在できない可能性があります。素粒子が存在できないということは、素粒子でできている惑星や地球、人類も存在できません。

ひとたび真空崩壊が宇宙のどこかで始まれば、光速(秒速30万キロメートル)の速さで伝わるとされています。もし地球から1光年先で真空崩壊が始まれば、1年後には地球も飲み込まれ崩壊してしまい、100億光年先であれば100億年後に地球は崩壊してしまいます。真空崩壊が起こる場所は確率ですので、地球からはるか遠くの場所で起こる可能性の方が高いです。

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観測可能な宇宙はあらゆる方向に465億光年(直径930億光年)で、宇宙の大きさはそれよりもずっと広く続いているとされています(空間は質量を持たず光速以上の速さで広がることができるため)。なので、地球から465億光年より先の宇宙で真空崩壊が起きても、光速以上で空間が広がっているので地球に真空崩壊の波は永遠にたどり着かないでしょう。

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