ポン助の雑談ブログ

興味を持ったことをまとめました。

硬貨

日本銀行券(お札)は日本銀行が発行していることは知っているだろう。
そして1枚当たりのお札の原価はおおよそ20円ちょっとということも知っている人は知っているだろう。
だから日本銀行は1万円札を約20円でどんどん印刷して9980円ぐらいの利益を得ている。お札を刷れば刷るほど儲かると思っていないだろうか?


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確かに原価20円でお札を刷れば刷るほど差額の現金は手元に入ります。しかし日本銀行は刷ったお札は負債として計上しているのです。簡単に言えば、1億円のお札を印刷したら、負債も1億円計上しているのです。

あと、せっかく印刷したお金も寿命が来れば回収しなければなりません。1万円札で5年ほど、1000円札・(2000千円札)・5000円札は1~2年ほどでボロボロになって回収されます。(2000円札はほとんど普及していないため不明)。

そうすればまた原価20円で印刷しないといけません。お札の流通枚数が増えているときは発行すればするほど手元に現金が残りますが、流通枚数が天井に達したら、あとは寿命になったお札を回収して、補充として印刷しています。それとお札を発行するには1枚当たり20円ぐらい経費が掛かるので、回収された額だけ発行すると損失が出ます。なので毎年毎年、日本銀行が原価20円で多額の利益を得ているわけではないのですね。

しかしお札を発行できるとメリットもあります。

それは金利ゼロで現金を手元に置いておくことができます。普通であればお金を借りるときは金利を払わなければなりません。しかし日本銀行は自分でお札を発行できるので、金利はゼロでお金を調達することができます。

これはギフト券等を発行している会社もそうですよね?原価数十円でギフト券を発行すれば、金利ゼロでお金を調達して運用することができます。それはギフト券が使われて対価を支払うまで続きます。なので金利分の利益を得ることができます。そしてギフト券が使われずに無くしてしまったら最大の利益を得ることができますよね?

次は硬貨についてです。
日本の硬貨は造幣局で作られ日本政府が発行しています。硬貨の発行益も、原料・製造費などの原価から硬貨の額面が発行益になります。
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まず各硬貨の発行益です。

1円硬貨・・・・・-13円
5円硬貨・・・・・   1円
10円硬貨・・・・-32円
50円硬貨・・・・  30円
100円硬貨・・・  27円
500円硬貨・・・  457円

1円硬貨と10円硬貨は作れば作るほど赤字ですね。500円硬貨は差額益が大きいですよね。

硬貨も日本銀行券と同じで、流通枚数が増えている間は発行益がありますが、流通枚数が上限になった後は、古くなった硬貨の回収と、不足分を補うための発行になります。なので回収された額と同じ額を発行すれば、原価だけ掛かってしまうのです。

それと今は電子マネーの普及とともに1円硬貨や5円硬貨といった少額硬貨の流通枚数は減少傾向にあります。なので今は発行する枚数より回収する枚数の方が多い種類の硬貨もあります。

造幣局は、硬貨の製造技術を維持するために硬貨の発行をし続けなければいけませんが、最近は発行枚数が減少しているので、外国の硬貨の製造にも進出しています。

外国硬貨の受注実績

ニュージーランド・・・・・1000ルピー記念銀貨
バングラデシュ・・・・・・2タカ硬貨(一般流通硬貨)・100タカ記念銀貨
カンボジア・・・・・・・・・・3000リエル記念銀貨
ブルネイ・・・・・・・・・・・・30ブルネイ・ドル記念銀貨
ミャンマー・・・・・・・・・・・5000チャット記念銀貨

上記の外国通貨は入札で勝ち取りました。造幣局も意外と頑張っているのですね。

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さてさて、今日は日本の硬貨の材料と、回収された硬貨の行方見ていきましょう。
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硬貨の材料

・1円・・・・・アルミニウム100%

・5円・・・・・黄銅(銅60~70%、亜鉛30~40%の合金) 5円硬貨だけ成分に幅があるのは、戦後に5円硬貨を作るときに、砲弾の薬きょうをリサイクルして作ったからと言われています。造幣局の地金の売り払いの情報によると、銅62%、亜鉛38%となっています。

・10円・・・・青銅(銅95%、亜鉛3~4%、スズ1~2%)造幣局の地金の売り払いの情報によると、銅95%、亜鉛4%、スズ1%となっています。

・50円・・・・白銅(銅75%、ニッケル25%)

・100円・・・白銅(銅75%、ニッケル25%)

・500円・・・ニッケル黄銅(銅72%、亜鉛20%、ニッケル8%)

以上が硬貨の材料になります。

硬貨も年数が経てばすり減ったり、摩耗したり、汚れが付いてきますので、一般銀行から日本銀行を通して回収され、造幣局に戻されます。

回収された硬貨は、材料別に分けられて再び硬貨として再利用されています。その他は、財務省の一般競争入札で地金として競売に出されます。私が今まで見たのは、1円のアルミニウムと10円の青銅、50円・100円の白銅だけです。(5円の黄銅・500円のニッケル黄銅については見たことありません。全量を硬貨の材料としてリサイクルされているのでしょうか?)
財務省の地金の売り払いで、令和元年度4回目(令和2年3月5日入札)で黄銅50トン(94塊)の地金の売り払いが行われます。

落札されたアルミニウムはアルミ製品に、青銅はブロンズ像などに、白銅は船舶のプロペラなどにリサイクルされているそうです。

皆さんの身近なところにもリサイクルされた硬貨が使われているかもしれませんね。

※硬貨は金属でできていますので、もし今後日本が戦争に巻き込まれた時などは備蓄金属として大いに利用することができます。

2024年の新紙発表と同時に、500円硬貨のデザインと材質の変更と発表がありました。新500円硬貨は2021年(令和3年)に登場する予定です。バイカラークラッドと呼ばれる技術を使って、3種類の異種金属をはめ込み1つにします。

この技術は、地方自治記念硬貨・天皇陛下在位30年記念硬貨など、500円記念硬貨に使われています。
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銅を白銅で挟み、ニッケル黄銅にはめ込んで1つにします。

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新500円硬貨のイメージ。

材料ですが、銅75%、亜鉛12.5%、ニッケル12.5%に変更になります。
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